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株式会社南海グリル 代表取締役 西浦結香氏にインタビューしました。

企業情報
社名:株式会社南海グリル
設立:1952年12月
住所:大阪府堺市堺区車之町西2-1-30
役職:代表取締役
名前:西浦結香
URL:https://www.nankai-grill.co.jp/

 

事業内容
1952年創業以来、鉄板焼ステーキ一筋。
常に最高の条件で最上の料理を提供するため、厳選された宮崎牛を産地直送し、自社で熟成から加工調理まで一貫して行う。
オリジナリティ溢れる店舗展開で、どこにも真似できない店作り、会社作りを目指す。

会社の誕生

 

 

南海グリルは父と母が作った洋食屋からスタートして来年で70周年を迎えます。
創業当時は企業へお弁当の配達もしており、今でもその時からの付き合いが続いている会社さんが多いんです。

父はいつも「何をすればお客さんに喜んでもらえるか?」ということを考えている人でした。
ある時、コックさんが目の前の鉄板でお肉を焼くスタイルに出会い「これだ!」と思ったそうです。
お見せした牛肉を目の前で焼けば、嘘やごまかしはきかない。
「嘘のない本質の追求」を信条としていた父は、これをヒントに試行錯誤を重ねて、今の『鉄板焼ステーキ』のスタイルを確立させました。

味や品質はもちろん、空間にもこだわり1971年には三角屋根の外観が特徴的な『中店』がオープンします。
こちらは飛騨高山の合掌造りを移築し、そこに父の感性でドイツ風のテイストを融合させた独創性のある建物です。
創業者の想いが詰まったこの建物は今でも南海グリルの象徴と言えます。

入会のきっかけ

 

 

当時、専務として働いていた私は、会社のために「自分発信で何かをしたい」と思っていました。
「たとえば朝礼をできないものか」という悩みを、たまたま『ぱど』の営業で店に訪れていた木村さん(木村雅 法人SV)に相談したんです。

すると、「ええとこあるで!見に行こうか!」と(笑)

その時に紹介してもらったのが、松井先生(松井 直輝 大阪北区倫理法人会相談役)の晴美台幼稚園でした。

朝6時、晴美台幼稚園の先生方の活力朝礼を見学に行き、ものすごく衝撃を受けました。
こんなにしっかりした朝礼ができたらいい会社になるだろうな、と感動したのを覚えています。

これがきっかけで倫理法人会へ入会するも、仕事も家庭も忙しく、結局は朝礼を導入できないまま3年が経っていました。

それでもやはり「あの朝礼」をやりたいという思いは消えず、再度、晴美台幼稚園を見学させてもらい、朝礼のやり方を教わりました。

それからすぐに社員の協力のもと朝礼プロジェクトチームを発足、我が社の朝礼がいよいよスタートしたのです。

とはいえ、なかなかうまくはいきませんでした。

シフト制で出勤時間もバラバラという物理的な問題や、「なんでこんなことをしないといけないのか」という社員からの反発も少なからずありました。

それでも、朝礼を続ける中で、会社の規律が正しくなっていくのを実感し、お客様からも「会社が明るくなった」と言われるようになってきたんです。

朝礼コンテストに参加したことも大きかったと思います。
目標に向けて一丸となって頑張れましたし、総合2位で特別賞まで受賞することができました。
1位になれなかったことは悔しかったですが、1位と2位の明確な違いに気づくことができたのは大きな収穫でした。

今では、社員から「朝礼には南海グリルの全てが入っている」とまで言われています。
これからも朝礼は大切にしていきたいですし、朝礼の素晴らしさを多くの経営者さんに伝えていきたいです。

転機となるような学びは?入会してよかった?

 

 

他業種から転職してきた私は、創業者の父とうまくいっていませんでした。
ワンマン経営だった父に反発し、いつも口答えばかりしていました。

社員の前でも平気で喧嘩を繰り広げ、その後はお互い不機嫌に...。
当然社内の空気は悪く、社員が私の顔色を見て、社長である父の機嫌を判断していたほどです。
そんな状態は10年以上続き、その間、私は「父が全て悪い」と本気で思っていました。

しかし、倫理を学んで気がつきました。「全て自分」なんだと。
今だから分かりますが、父も辛かったと思います。
会社を良くするために動かなければいけない人間が反発ばかりしていたのですから。

自分が変われば相手も変わるということが分かってからは、父を変えようとは思わなくなりました。

すると、次第に父も私を認めてくれるようになったのです。
朝早く掃除する姿を見つけて褒めてくれたり、社長を引き継いでからは「俺よりええやんか」という言葉まで掛けてくれたのです。

振り返ってみると、父は、心からお客様を大切にし、社員を愛する尊敬すべき経営者でした。
創業者への敬意を欠き、思いやりがなかったのは私の方でした。

父は2年前に亡くなりました。
もっと聞いておけばよかったと思うことがたくさんあります。
ただ、不思議と亡くなってからの方が、より父と近づけた気がしています。

「なんでこうしたのかな?」「なんであんなことを言ったのかな?」「父なら、こんな時どうするかな?」

そんなことを考えるたびに、父の魂がしっかりと生きていることを感じるんです。
肉体は滅んでも創業の精神はしっかりと灯っています。

「本を忘れず、末を乱さず」

この言葉を忘れず、創業精神を次の世代へ繋げるのが私の使命です。

倫理法人会で学ぼうとしている 経営者のみなさんへのアドバイス

 

 

コロナ禍で大変な思いをされている方も多いのではないでしょうか。
飲食店である我が社も当然大きな打撃を受けています。

ただ、どんな状況であっても、常にプラスに物事を考えられるようになれたのは倫理法人会のおかげです。

以前からやりたいと思いながらなかなか実現できなかったキッチンカー、テイクアウト、宅配をスタートできたのも、いいきっかけをもらったと思えています。

外食がしにくくなったり、アルコールの提供に制限がかかったことで、改めて「みんなで食事を楽しむ」ということが、人間の生きるエネルギーであることも再確認できました。

こんな状況であってもお越しくださるお客様には感謝の気持ちでいっぱいですし、「今、私たちに何ができるか?」を社員一人ひとりが考え、実行できていると思います。

倫理法人会での学びによって、苦難もよろこんで受け入れられるようになりました。

もし、倫理法人会に興味をお持ちであれば、まずは入会してみてください。
モーニングセミナーに参加したり、たくさんの人と話をする中に、あなたの悩みを解決するヒントがたくさんあるはずです。

堺市倫理法人会 辻本 加平 監査の「迷ったらGO!」という言葉がぴったりですね。

私自身もあの時、一歩を踏み出して倫理へ入会したからこそ、今の自分があると思います。
もし、入会を迷われていれば、まずは一歩を踏み出して、私たちと一緒に学びませんか。

今後のビジョン

 

 

コロナを機にお客様が求めることも変化してきました。
そういったご要望にも柔軟にお応えした上で、さらに期待を上回る「記憶に残るレストラン」であり続けたいと思っています。

また、社員には驚きや感動を提供する側として、ここで働くことに誇りを持ち、仕事が生きがいになってもらえると嬉しいです。

そのためにも、常に会社がいい方向へ変われるように舵を取り、アファメーションで掲げる「100年続く鉄板焼きレストラン」に向けて一丸となって進んでいきます。

【取材 松本 圭太/堺市倫理法人会/副専任幹事】
【カメラマン 株式会社PhotostudioS 杉谷昌彦/堺市御陵倫理法人会/幹事】

堺での晴れの日の食事といえば『南海グリル』
僕自身も今年の妻の誕生日に家族で利用させてもらいました。
カメラマンの杉谷さんも家族でよく利用されているそうです。(よく、というのが、うらやましい!)
実際に食事をして感動したのはお肉の美味しさだけではなく、スタッフさんの心づかい。
今回の取材で、なぜ『南海グリル』が「記憶に残るレストラン」であり続けるのかを感じることができました。

【西浦結香氏の所属単会/堺市倫理法人会/副会長】

※記事中の所属や役職およびインタビュー内容は、取材当時のものです。