GENKIな会員企業のご紹介

 

株式会社日本アトロン 代表取締役 久米康裕氏にインタビューしました。

▼企業情報
社名:株式会社日本アトロン
設立:1993年7月
役職:代表取締役
住所:〒591-8031 大阪府堺市北区百舌鳥梅北町4丁199番地
URL:https://moz-touki.com/

▼事業内容
平成1997年よりこの業界で飲食店様と寄り添ってまいりました。

和食店様を中心にメニューや献立の際にお料理の演出や業務用食器の選定のお手伝いをさせていただいております。

会社の誕生

弊社、株式会社日本アトロンは、父が創業した会社です。

「アトロン」という名称はアトミックナイロンの略称の「アトロン」を会社の名称に使用しています。
アトミックナイロンとは木粉と樹脂を混ぜ合わせた成型樹脂のことで、プラスチックの灯油缶(アトロン缶)を発明された積水化学出身の方が中心となって、成型樹脂の生地を作る会社が前身の会社株式会社日本アトロン工業にあたります。

お椀や建具、仏具を作るための成型品を作っていました。
成型した素地に漆を塗ってお椀や盛器などに製品化して飲食店に販売もしておりました。その会社の専務取締役であった父の担当は、経理や営業でした。

40年程前、父がそのお椀などを抱えて大阪北新地界隈を営業で周っていた時、飲食店等から漆器の他、陶器のニーズがあることを知り、仕入れ先を広げ、現在行っている業務用の食器や備品関係の販売も並行して行うようになりました。
経費ばかりが掛かっており、売り上げが上がらないその会社を父が販売のみを引継ぐ形で、独立、創業しました。

入会のきっかけ

堺市倫理法人会の会員でいらっしゃいました横山康雄さんのご紹介が入会のきっかけです。今もそうですが、横山さんは、堺市堺区で「食堂よこやま」を営んでいました。

今から15年程前に、ラジオ番組のリスナー仲間が集まるツイッターグループで彼と知り合い、ツイッターを通して毎日の様にやりとりをしていました。

彼の人間的な魅力を感じていたある時、リアルで会いたいと思い、彼に会うため「食堂よこやま」を訪ねました。

初対面の横山さんからその場で「職場の教養」を手渡され、同時に堺市倫理法人会のモーニングセミナーに誘われました。

父が会社経営から退き会社の代表を引き継いだ後、事業が上手くいかず、モチベーションも低く悶々としていて、なんとかしないといけないと思っていた時期でした。

初対面でしたがツイッターを通じて信頼関係が出来上がっていた横山さんからの誘いでしたので、躊躇うことなくホテルアゴーラリージェンシー堺の26階、今現在モーニングセミナーの朝食会場で利用されている狭い方の会場にゲストとして参加しました。

参加者の多くは年配の方々で、20社程の参加者でしたが、朝から経営者である大先輩方が学んでおられる姿に衝撃を受けました。

その時の三輪優(みわまさる)先生の講話は、家系や先祖を大切にするという内容でした。外出や帰宅の際には必ず「家の表札」に礼をするといった内容のもので、講話に引き込まれていきました。

その頃の堺市倫理法人会は割とのんびりした雰囲気ですぐに入会しなさいとは言われず、未会員のまま毎週約1か月半程の間モーニングセミナーに通い、活性化会議にも参加させていただいてました(笑)。
フレンドリーな雰囲気も気に入り、2010年9月3日に入会しました。
その日は木村雅法人スーパーバイザーが堺市倫理法人会の会長に就任された日であり、吉瀬融法人スーパーバイザーが堺市で初めて100社モーニングセミナーの講話をされた日でもあります。
何よりも大切なのは、9月3日は創始者丸山敏雄先生が敗戦まもない1945年のこの日「夫婦道」の執筆をスタートされた日であり、一般社団法人倫理研究所の設立記念日です。
倫理法人会に引き寄せられたご縁多き日です。

転機となるような学びは?入会してよかった?

1998年、父から大阪に戻り会社を手伝ってほしいと誘いを受けました。妻と相談し大阪に戻り、父の会社に入ることにしました。大学卒業後、関東でサラリーマンをしていましたが、大阪の文化が好きで、長男でもあり将来両親の面倒を見ること、また妻の両親も大阪在住であったので、大阪に帰りたい気持ちが強かったのです。

その当時、父が創業した会社は大手飲食店チェーンとの取引もあり順調でした。
しかし、一番の取引先の飲食店チェーンが倒産したあおりで経営が苦しくなりました。
また、飲食業界の上下関係、特に絶対的な存在の料理長を相手にプレッシャーの中で仕事をするのが嫌でした。

今まで、両親から褒められた記憶もなく、達成感を感じたこともなく、自己肯定感の低い私でしたが、倫理法人会に入会し、倫理法人化の活動をすればするほど倫友から褒めて頂き自己肯定感が高まっていきました。

特に、山本一相談役や木村雅法人スーパーバイザーからのお声掛けでは、それが顕著でした。
会社の業績も悪く、会社をたたむことを尊敬する木村雅法人スーパーバイザーに相談したところ、法人スーパーバイザーからは会社の借金の返済など親身に話を聴いて頂けました。

当時、木村さんの会社は、ランチェスター経営を社員様全員で学んでいる最中で、会社で開催するランチェスター勉強会などへも参加させて頂きました。
そのおかげで、会社の方向性を絞り込むことができたのです。ターゲットの場所として、大阪北新地での営業に特化し、お寿司屋さんを始め、和食料理のお店に毎日飛び込み営業を行いました。そして、業績が回復し始めたのです。
それは、倫理法人会を通した木村雅法人スーパーバイザーとの出会い、ご縁であり、経営のアドバイスを頂戴した賜物だと感謝しています。

倫理法人会で学ぼうとしている経営者のみなさんへのアドバイス

倫理法人会での出会いを通して、触れ合い、勇気づけられることも多いのが現実です。出会い、アドバイス、講話などから気づきを得ることができます。その繰り返しのおかげで今の自分があると認識しています。

倫理法人会の皆さんは、自分を変えたい、変わりたい、ビジネスを成功させたい、人生をもっとよくしたいなど、今よりもっと良くなりたいと思い会に参加されています。

今私は、堺市北区倫理法人会で会長というお役を拝命し、単会の会員の皆さんに寄り添い、それぞれの方ともっともっと密接にお話をするため、食事やお酒を頂いたりしながら、本当の悩みや将来の抱負などを聴きながら自分自身がお手伝いできることを実行したいと考えています。会員同士で傾聴しあえる垣根の低いざっくばらんな会を目指しています。

純粋倫理は、人としての根っこであり、どう在るべきかを学べる場が倫理法人会にはあります。「万人幸福の栞」にすべて網羅されているのです。栞を学び、講話など倫友の人生から気付きを得、直接の声掛けや応援によって、さらにビジネスの繋がりもできることもあります。入会しない手はないです。一緒に学びましょう。

今後のビジョン

日本の文化である食器を海外、外国人に日本の文化として知って頂きたいと考えています。コロナ禍も少し落ち着き、訪日外国人も増え、外国人が過ごしやすい宿泊施設も京都を中心に建築されています。そのような施設と繋がりを持ち、私どもの器で外国人が食するシーンを増やしたいのです。
漆器の良さ、代表的なものとして、堺の包丁に漆で塗った鞘がありますので、外国人に手に取って購入して頂ければ嬉しいです。実現に向けて動き始めています。

近い将来、海外に行き商売している自分がいます。5年後の世の中は、コミュニケーションのための翻訳機器の向上など目覚ましい発展があり、言葉の壁がなくなっていることでしょう。日本の文化を具体的にまた、強い思いをもって発信していくことが大切です。

2025年の大阪・関西万博では、多くの外国人が宿泊する施設で、私どもが選んだ器を外国人がニコニコしながら食していることでしょう。

【取材 佐原成人/堺市北区倫理法人会/幹事】
【撮影 Syoji photo 山本祥司/広報副委員長】

10年を超える倫理法人会員のキャリアのうち、本会の行事に限りなく100%に近い数字で出席されている久米さん。倫理法人会での学びとその実践により、純粋倫理が細胞に活きわたっているように窺えました。礼儀正しく、笑顔が素敵で、常に物事を自分事として捉えていらっしゃいます。自分のまごころを相手に捧げる立派な人だと感じました。久米さんの周りには人が集まり、人を魅了し続けること間違いないでしょう。

【久米康裕氏の所属単会/堺市北区倫理法人会】
2023年7月掲載

※記事中の所属や役職およびインタビュー内容は、取材当時のものです。