
株式会社さつきあん 代表取締役 丸野裕志氏にインタビューしました。

▼企業情報
社名:株式会社さつきあん
設立:1970年
役職:代表取締役
住所:大阪府高槻市西真上1-34-27
URL:https://satsukian.com/
▼事業内容
和菓子 製造販売
創作銘菓「薩喜庵」は、大阪・高槻市で55年続く、素材と昔ながらの製法にこだわった和菓子屋です。
団子やおはぎ、赤飯など、約60種類のお菓子をご用意。2期連続で将棋のタイトル戦で超有名棋士に「勝負スイーツ」として選ばれた、高槻市公認キャラクターをモチーフにした「はにたん最中」をはじめ、日常のおやつからお祝い・ご進物まで幅広くご利用いただける和菓子屋です。
会社の誕生
「薩喜庵」のはじまりは、今から55年前。
創業者である父は、もともと製造業で働いていました。その弟や妹が和菓子屋でアルバイトをしていたことから、父も仕事帰りによく遊びに行っていたそうです。
ある日、職人さんに「試しに作ってみるか?」と声をかけられたのが、和菓子との最初の出会い。この出来事がきっかけとなり、のちに和菓子屋を始めることになりました。
私は、そんな父の背中を見て育ち、小さい頃から「将来は饅頭屋になる」と言っていました。しかし成長するにつれ、厳しい父と一緒にやっていけるのかと悩んだ時期もありました。
転機となったのは高校時代。寿司屋でのアルバイトを通じて、親方から「ものづくりの大変さ」と「ものづくりの楽しさ」の両方を学び、改めて“ものを作る仕事”が好きだと気づいたのです。
その経験が、父から会社を継ぐ覚悟につながりました。そして12年前、40歳の時に二代目として「薩喜庵」を継承。今ではリニューアルした高槻・真上本店を拠点に、創作銘菓「薩喜庵」を守り育てています。

入会のきっかけ

約7〜8年前から複数の方からお誘いを受けていましたが、当時は他団体活動にも参加しており、お店も忙しかったためお断りしていました。しかし経営者の集いにお誘いいただき、奈良市倫理法人会の当時の木村会長のお話を聞き、翌朝のモーニングセミナーに参加したことが入会を決断したきっかけです。
転機となるような学びは?入会してよかった?
まだ入会して1年ほどなので、本当の意味で実践できているかはわかりませんが、当初参加し続けられるかどうか不安だったモーニングセミナーも1年間皆勤で参加しています。小さな実践ですが、習慣になっていく実感があります。また、以前よりも感謝の気持ちを強く想うようになりました。これからも新たな学びと実践を続けていきます。

倫理法人会で学ぼうとしている経営者のみなさんへのアドバイス

まだ倫理法人会に入会したばかりの私が言うのもおこがましいのですが、商売をさせていただいている地域の皆さまに感謝し、恩返しができる企業でありたいと考えています。
私たちは「日本文化を伝えたい」という思いから、小学校への出前授業をはじめ、過去12年間で約1,100人の方々にお菓子作り体験会を開催してきました。
倫理法人会で教えていただいた「明朗・愛和・喜働」の精神を胸に、地域にとって小さな存在である薩喜庵ですが、薩喜庵にしかできない形で、地域への恩返しを実現できる企業を目指してまいります。
今後のビジョン
高槻市の「はにたん最中」に続く、箕面市の「滝ノ道ゆずる最中」を広めていきたいです。
また、石川県など震災した地域の復興支援の一つとして、地域の素材(餅米を最中の皮に使用)を活かした商品づくりにも力を入れています。
今後も、高槻から大阪、そして日本へと恩返しを実践していきます。

編集後記
目に見える部分だけでなく、見えない部分でも「地域貢献活動」を実践されている丸野社長を本当に尊敬します。
倫理法人会へ入会されて1年ほどとは思えないぐらい積極的に活動されていて、まさしく実践を行動で示している人だと実感しました。
これからも高槻市倫理法人会のお仲間として、共に学び実践できることを楽しみにしています。
<取材> 米田 稔/高槻市倫理法人会 実行委員
<撮影> 幸合同会社 代表社員 澤 利一/千里中央倫理法人会 幹事
2025年10月 No.323 掲載