大原建具株式会社 代表取締役 大原賢太氏にインタビューしました。

▼企業情報
社名: 大原建具株式会社
設立: 1973年4月
役職: 代表取締役
住所: 大阪府岸和田市河合町122番地

▼事業内容
建具の製作・販売・取付

会社の誕生

銀行員だった父親がなんでか建具屋になりたくて地元の建具屋さんで数年間修行した後、僕が生まれる1年前に、大原建具店を開業しました。
その頃は第二次ベビーブームで、どんどん住宅が建ってた時代で、家には当たり前に和室があって、ふすまや障子をつくる建具屋も仕事がたくさんありました。その頃の建具屋の仕事といえば、職人の技術が必要なものばかりでした。

僕は、大学には行かずに建具屋になることを決めていたので、高校を卒業してから建具の本場である和歌山で、専門学校に1年間通い、卒業後は、建具店で3年間修行させてもらって技術を学びました。
22歳で家に戻り、父親と職人さん二人、そして僕の4人体制で建具店を営んできました。

現場で寸法をとり、職人の技術で建具を製作し収めるという仕事をしていましたが、だんだん時代が変わっていきました。
住宅自体が工場でつくった材料を現場で組み立てて建てるようになり、さらには、建具屋の仕事を必要とする和室をつくらない家が増えてきました。

そんな中、やめていく建具屋さんが増え、建具の技術を学びたいという若い子も少なくなり、跡継ぎがいないというところもたくさんあります。
それでもうちは、木のあたたかみを大切にして、職人の手仕事にこだわり、お客さんに喜んでもらうことを第一に考えてきた父親のおかげで、建具屋を続けることができました。
仕事のやり方では衝突することも多いですが、大変な時代を乗り越えて、今もこうして仕事ができてることには感謝しかありません。

入会のきっかけ

倫理法人会には、和泉高校の野球部で一緒だった石川キャプテンと江川副キャプテンに誘われて入会しました。
入った時から特に違和感はなく、たのしく学ばしてもらいました。元から朝は早かったし、倫理は早起きと言うけど、僕にとっては逆に遅いくらいでした(笑)。
知り合いが何人かいたし、初めて会う人でも、ええ人ばっかりなので、すぐに仲良くなれて楽しいことばっかりでした。
早朝から現場に行くことも多いので、モーニングセミナーに行けない日も多いですが、そんな僕でも自由にのびのびとありのままを受け入れてくれて、本当に居心地のいいところです。

転機となるような学びは?入会してよかった?

僕は、どっちかというと経営者というより職人なんですが、倫理法人会では会社を経営している人が多いので、普段聞くことができない話を聞くことができます。それがとても刺激になっていると思います。
それもあって、令和2年には株式会社にすることができました。父親から代替わりをして、税理士である弟に勧められて法人化する決意をしましたが、ここで出会った人たちの影響があったのは間違いないです。
今では、主な製作は職人さんに任せて、僕が仕事の段取りや取り付けを担当していて、働き方がだいぶ変わってきました。

倫理法人会で学ぼうとしている経営者のみなさんへのアドバイス

あまり深いことは考えずに、明るく楽しくやってれば、何とかなると考えているんですが、倫理法人会では「明朗」を大事に考えているので、そういう人が集まってきてると思います。
もちろんつらい時とかしんどい時もありますが、前向きに物事を考える人が多いので、落ち込むのではなくて、自然と明るく前向きな自分を取り戻せる環境がここにはあると思います。ぜひ、そんな環境に自分の身を置いてみてください。

今後のビジョン

正直に言うと、会社を大きくしたいとか将来こうなりたいといったことは考えていません。
目の前のお客さんに喜んでもらう為にどうしたらいいかだけ考えて仕事をしています。
無垢の木をつかった建具は人の心を癒してくれます。本物の木の良さを多くの人に味わってもらいたいと思うのですが、なかなかええ建具をつくらせてもらえる仕事が少なくなってきた中で、どうやってそういう仕事を増やしていくか、そして、その技術やノウハウを次の世代に受け継いでいくのかが僕の課題です。

編集後記

高校1年生からずっと変わらず少年の心を持ち続けている大原くんは、どこに行っても皆の人気者!
その明朗さで周りをパッと明るくしてくれる唯一無二の存在です。これからもみんなの気持ちを明るく照らすマスコットであり続けてください。

<取材> 江川昌克/泉州倫理法人会 副専任幹事
<撮影> 山本祥司/Syoji photo 代表/泉州倫理法人会 幹事

2025年12月 No.325 掲載

※記事中の所属や役職およびインタビュー内容は、取材当時のものです。