酒菜かた岡 店主 片岡一樹氏にインタビューしました。

▼企業情報
社名:酒菜かた岡
設立:令和7年1月
役職:店主
住所:大阪府松原市上田2−1−23

▼事業内容
創作和食料理とコース料理

事業を始めたきっかけ

私が事業を和食へと大きく転換し、新たなスタートを切ったのは今年の1月からです。それまで営んでいたお店は、お客様に恵まれていましたが、昨年の年末、特に11月、12月頃に大きな環境変化に直面しました。ご存知の通り、自転車の飲酒取り締まりの厳格化が始まったのです。

うちの店は、特に女性のお客様を中心に、自転車でご来店いただく方が大変多かったのですが、この規制が始まってから、客足が驚くほど激減しました。年末の、本来なら一年で一番の繁忙期であるはずの時期に、客足が7〜8割も減ってしまったのです。この数字を見た時、「これはもう、根本的に事業のあり方を変えなければあかん」と危機感を覚えました。

そこで決意したのが、お客様の層をガラリと変えることでした。私は過去に、20数年前、和食のお店を経営していた経験があります。当時の和食のお客様は、車で来られても代行を使ったり、タクシーでご来店されたりする、いわゆるお金持ちの方が多かったんです。そのお客様たちをもう一度呼び戻そうと考えました。また、和食にすることで、提供する料理の質を高め、結果的に客単価も適正に上げられるという見込みもありました。自分の得意分野、自分の強みである和食へと業態を変えることが、この逆境を乗り越える最善の方法だと判断しました。そして、今年の1月から、店舗を買い取らせてもらい、心機一転、新たな和食店として事業を始めたのです。

倫理法人会に入会した理由

倫理法人会への入会は、信頼している知人に誘われたのが始まりです。正直に言えば、最初は本を読んだりする活動にあまりピンと来ず、参加したりしなかったりでした。その後、すぐに新型コロナウイルスの感染拡大が始まり、飲食店を経営する私にとって、多忙と不安でなかなか土曜日の朝のモーニングセミナーに参加できない時期が続きました。

そんな中、当時の五島会長や小林さん、田島さんといった、倫理法人会の仲間たちが、私のことを気にかけてくれて、お昼にわざわざお店まで訪ねてきてくれたんです。「事業は大丈夫か?」「何か困っていることはないか?」と、温かい声をかけてくれました。話をしているうちに、皆さんの熱意に押され、「ノリで入会してよ!」と言われました。私もその温かさと勢いに感謝し、サインしました。当時の心の中には、「入会したら、少しでもお客さんが増えてくれるかな」という、不純な気持ちもあったのは事実です。しかし、この”人との縁と「ノリ」”が、後に私の人生を劇的に変える大きな学びの機会を与えてくれました。

人生の転機となるような学び

私の人生の転機となったのは、迷うことなく倫理指導です。それは1年半ほど前のことでした。内田方面長に「売上はあるのに、なぜか利益が手元に残らない」という切実な悩みを相談したんです。指導は、まず「整理整頓」から始まりました。冷蔵庫の中を見て、入っているけど使っていない不要なものを捨てること。そして特に衝撃的で、その後の経営に大きな影響を与えたのが、「売れていないメニューをメニューブックから外す(捨てる)」という実践でした。

正直、メニューを減らすなんて、売り上げが減るのではないかと思い、考えたこともありませんでした。しかし、言われた通りに実践してみると、無駄な仕入れがなくなり、利益が残りやすくなったんです。そして、メニューを減らした分、本当に売れる新しいメニューをじっくり考えるようになり、お店のメニュー構成がイノベーションを起こし、結果的に多くのお客様に喜んでいただけるようになりました。

この実践を続けるうちに、さらに深い気づきがありました。以前、スタッフが辞めていく状況を経験したのですが、それは自分の心がけに問題があったと気づいたんです。それは、自分のわがままや傲慢さが原因だったのではないかと。それに気づいてからは、自分の傲慢さを捨てる実践として、スタッフに心から「ありがとう」と感謝の言葉をかけ、「スタッフがいるからこそお店が回っている、お客様に喜んでもらえている」という意識に変えました。

この心の変革の結果、辞めていたスタッフが戻ってきてくれたり、急な人手不足の時でも、遠く滋賀や東京からも歴代のアルバイトさんが「行けるよ」と助けに来てくれるようになったんです。この体験こそ、「捨てる」という実践がもたらした倫理体験であり、私にとって最も大きな、そして今も続く学びとなっています。

入会を考えている人へのメッセージ

倫理法人会への入会を検討されている方へ伝えたいのは、最初は私のように不純な動機でも構わないということです。まずは一度、モーニングセミナーに来てみてください。そして、何回か足を運び、続けることが何よりも大切です。

続けることで、必ず学びは深まります。しかし、それ以上に大きな財産となるのが、一緒に学ぶ仲間です。共に困難を乗り越え、励まし合い、自分の背中を押してくれる仲間ができる。倫理法人会に入会し、実践を続ければ、人生は必ず良い方向に変わると私は確信しています。素晴らしい体験ができるので、ぜひ一歩踏み出し、一緒に学びましょう。

今後のビジョン

この仕事をしていると、「ずっとここで働きたい」という熱意ある人や、「自分でお店を持ちたい」という意欲的な若手スタッフが出てきます。彼らの熱意に応え、活躍できる場を作るためにも、来年にはもう1店舗、新しいお店を作りたいと考えています。

場所は今の店舗から歩いて行ける範囲が理想です。そうすることで、両店舗のスタッフが相互にフォローし合える体制が作れると考えています。そして、単に事業を広げるだけでなく、社会貢献できるような人を育てていきたい。人を大切にし、地域に貢献していくことが、私の今後の最も大きなビジョンです。

編集後記

いつも美味しいお料理を、お店はもちろんモーニングセミナーやランチ会などでも提供してくださる片岡さん。その裏側にある気付きと変化を知り、ますます応援したい気持ちが強まりました。これからの進化も楽しみにしています!

<取材> 山品恵美子/松原市倫理法人会 副事務長
<撮影> 澤利一/幸合同会社 代表社員/千里中央倫理法人会 幹事

2026年2月 No.327 掲載

※記事中の所属や役職およびインタビュー内容は、取材当時のものです。