
焼肉食堂 大勝 代表 児野丈司氏にインタビューしました。

▼企業情報
社名:焼肉食道 大勝
設立:2022年10月
役職:代表
住所:大阪府堺市堺区宿院町東2-1-3
URL:https://www.instagram.com/daikatu_yakiniku/
▼事業内容
焼肉屋
事業を始めたきっかけ
高校卒業後、ずっと飲食業一筋で会社勤めをしてきました。大きな転機はコロナ禍です。仕事が一気に減り、「これはあかん」と感じた瞬間、逆に「今が自分の番かもしれない」と独立を決意しました。大阪市内で物件を探し続けましたが、なかなか見つからず、住之江から橋を渡って堺を訪れたとき、偶然、前が焼肉店だった居抜き物件と出会います。ネットで見つけてすぐ電話すると「今ならいけるよ」と言われ、流れは一気に開業へ。何をするかを明確に決めていたわけではありませんが、焼肉大手での経験があったため自然な選択でした。通常なら数千万円かかる店舗を、初期費用約1000万円で実現。椅子や設備もそのまま残るという幸運に恵まれました。僕は直感型で、「これや」と思えば動くタイプ。流れがあるものは進めというサインだと信じています。この挑戦は、偶然ではなく“なるべくしてなった”出来事だと感じています。

倫理法人会に入会した理由

当時、大阪府飲食業生活衛生同業組合・堺支部に所属していました。支部長は西浦ブロック長。でもご本人はあまり来られず、代わりに南海グリルの大山さんが参加されていて、そこで仲良くなりました。ある日「社長がめちゃくちゃ一生懸命やってる会がある」と聞き、「何それ?」と興味津々。すると「児野さんは合うと思うで」とひと言。直感型の僕は「ほな行くわ」。するとブロック長がわざわざ店まで来て説明してくれました。とはいえ最初は“ちょっと宗教っぽい?”と警戒。奥さんと一緒に参加し、「まあ、ええんちゃう」の一言で入会決定。実際に行ってみると空気が合う。「これはハマるな」と確信しました。後に初めてしっかり会った西浦さんは、よく気がつき、誰よりも行動する所に尊敬しています。あと想像以上に圧強め(笑)。でもそんな出会いも含めて、全部ご縁やなと感じています。
人生の転機となるような学び
僕にとって最大の転機は、「この店を始めたこと」です。それまで会社員として飲食業に携わり、任された仕事は全力でこなしてきました。でも、どこか淡々としていて、本当の意味で燃えてはいなかった。自分で資金を出し、物件を探し、すべての責任を背負って店を出したとき、初めて“代表”の重みを知りました。知っているのと、やるのとではまったく違う。大変さも、楽しさも、覚悟も、すべてが一気に押し寄せました。
店をきっかけに世界が動き出しました。西浦さん、大山さんとの出会い、倫理とのつながり。さらに、カンボジアの研修生を受け入れる仲間や、三原で田んぼを守る松本さんとの縁。今ではそのお米を店で使っています。かつてぼんやり思い描いていた一次産業との連携が、自然な流れで形になっているのです。
「日本一を目指す」と聞いたときは正直戸惑いました。でも、理解するほどに胸が高鳴る。チャンスは誰にでもある。ただ、一歩踏み出すかどうか。その違いだけだと思います。キラキラした仲間と共にいると、自分も変わっていく。環境が人を育てる。その渦の中にいる今を、心から誇りに思っています。

入会を考えている人へのメッセージ

入会を考えているなら、まずは「一度やってみてください」と伝えたいです。最初のモーニングセミナー前の挨拶実習は、正直きついです。僕も抵抗がありました。でも、あれをやり切ったとき、自分の殻が一枚破れました。恥ずかしいと思う気持ちもありますが、起業や商売をするなら、その壁は越えないといけない。あれは度胸試しではなく、本番のための訓練です。続ける中で「継続すること自体に価値がある」と実感しました。倫理の一番の魅力は、自分の過去や弱さを素直に話せて、それを受け止めてもらえること。失敗談や葛藤を語り合う中で、自分の価値観が変わっていきます。数字やノウハウの勉強会とは違う、本気の人の実体験に触れられる場所です。「日本一を目指す」と本気で言える空気に身を置くと、不思議とワクワクしてくる。合う合わないはあります。でも、やらなければ分からない。嫌ならやめればいい。だからこそ、まずは一歩、踏み出してみてほしい。それだけです。
今後のビジョン
僕の原点にあるのは、飲食を通して地域、社会、そして日本を豊かにしたいという思いです。衣食住の中でも「食」は命に直結するもの。しかし人口減少や少子高齢化の中で、多くの飲食店が後継者不足で幕を閉じています。長年積み上げてきた技術や想いが消えていくのは、あまりにも惜しい。だからこそ、その歴史を受け継ぎ、新しい形で循環させたい。食を通じて地域を潤し、一次産業とも手を取り合う。米が足りないなら作れる環境をつくる。水産物も野菜も肉も同じです。自給率の低い日本だからこそ、誰かが一歩を踏み出さなければならない。
僕は飲食しかできません。でも、それでいい。焼肉にとどまらず、鯛めしも寿司も牡丹鍋も出せる。「何でもできる」店として、継承にも挑戦する覚悟があります。将来は息子に託し、若い世代へ循環させたい。僕らは道をつくり、次の世代にバトンを渡す。それが自然な流れであり、僕の描く未来です。

編集後記
焼肉大勝の児野代表。直感で橋を渡り「今ならいけるよ」で即決する勝負師。その豪快さに痺れました。でも語る姿は少年のように無邪気で、すべてを“なるべくしてなった”と言い切る覚悟が熱い。何より心を打たれたのは、節々ににじむ奥さまへの深い信頼と愛情。二人三脚だからこそ挑戦できたのだと伝わる。肉も人生も、火加減は本気と愛が一番だと教わりました。
<取材> 石川将也/堺市倫理法人会 幹事
<撮影> 山本祥司/Syoji photo 代表/泉州倫理法人会 幹事
2026年4月 No.330 掲載