Smm株式会社 代表取締役社長 上野真博氏にインタビューしました。
▼企業情報
社名:Smm株式会社
設立:2018年5月24日
役職:代表取締役社長
住所:大阪府堺市中区東山608番地6
URL:https://ryouiku-smm.com/
▼事業内容
福祉事業
会社の誕生
6年前まで「生まれつき障害を持つ子ども専門の理学療法士」として病院や訪問看護ステーションで勤務し、子ども達にリハビリテーションを提供する仕事に従事していました。
あるとき会社から就労継続支援B型作業所を買い取って立て直せというミッションをもらって取り組むことになりました。
立て直しはある程度うまく行って軌道に乗ってきたのですが、その中で障害を持つ人たちが継続して働くのは、難しい課題であることに気づくようになり、自分が考えていることを形にしたいと思い、起業を具体的に考えるようになりました。
もともと起業も意識していたので、起業するのであれば、働き出す年齢よりもう少し前の段階の子どもたちに、働く準備をするような事業ができないだろうかと考えました。
そこで、放課後等デイサービスの制度を使って、就労するための準備をするデイサービス事業を起業しました。
障害を持った子どもは中学生以上の年代になると徐々に居場所がなくなってくる傾向があるので、そういった子どもの居場所も作りたいなって思ったことと、そういった子どもと毎日関わって信頼関係ができてくると、職員を頼って、もう一歩チャレンジできるようになる。
居場所+チャレンジができる場所として、就労準備型の放課後等デイサービスを立ち上げました。
入会のきっかけ
練馬区倫理法人会の歴代会長の鴨頭嘉人さんのYouTubeで倫理法人会を知り、「そう思ったらそう(信ずれば成り、に近い)」という言葉に惹かれ、倫理法人会のことをネット検索して問い合わせたことがきっかけです。
なので、実は紹介者はいないんです。強いて言えば鴨頭さんなのかもしれません。
転機となるような学びは?入会してよかった?
大きな学びが2つありました
まず1つ目は、事業を始めた最初の店舗の職員が大量に辞めて閉鎖になったタイミングで講話をさせていただく機会を得たのですが、そのときに、山本一法人スーパーバイザーに倫理指導を受けることができたことです。
倫理指導は、かなりチャレンジングなことをやってみるよう言われるイメージがあったのですが、実際に倫理指導を受けてみるとそんなことは全くありませんでした。
「職員と一緒にご飯を食べに行きなさい」、「どんな形でも良いので朝礼をやりなさい」、などがそのとき教えていただいたことです。朝礼では、笑顔の確認や挨拶実習、コンセプトの唱和などを行うようになったことで職場の一体感が増したんです。
このことが、職場に笑顔を生むようになり、結果、職場の雰囲気が良くなったのです。
「以前の職場の上司に会いに行きなさい」という指導は、ビビってまだ実践できていないんですけど(笑)。
2つ目は富士研に行ったことです。以前は、整理整頓がとても苦手で(まぁ今も苦手ではあるのですが)、職員に対しては、なぜできないのかと責め、指摘していました。富士研に行ってから、「まずは自分からやってみよう」という気持ちになって、実際やってみたら、少しずつ職員や子どもたちもやってくれるようになったことが驚きでした。片付けも挨拶もまず自分から。こうすることで他の職員もやってくれるようになったのです。
倫理法人会で学ぼうとしている経営者のみなさんへのアドバイス
合う合わないはあると思いますが、変なツボを売られたりすることはなく(笑)、”安全な”場所なので、一度入ってみること、少なくとも3ヶ月だけでも頑張ってモーニングセミナー等の活動に参加し、職場の教養に毎日目を通してみることだと思います。
これでも、自分に合わなければやめたらいいとすら思います。でも、おそらくですがこの短期間でも、大なり小なり自分に変化が見えると思うので、一度飛び込んでみることをおすすめします!
朝がどうしてもしんどいという方は、まずは夜のセミナーに参加してみることもできると思います。あまり倫理法人会っぽくないセミナーもありますので、モーニングセミナーが肌に合わない人にもハードルが低いかもしれません。
前述しましたが、職場の教養はすごく良いので、ぜひ職員と一緒に読んでみるなどしていただきたいです。
今後のビジョン
2024年12月に、昨年閉鎖した事業所を復活させることが決定しました。順調にいけば働くための専門学校のような形となり、一歩私の夢へと近づくことができそうです。
「障害のない社会の創造」が当社のビジョンなのですが、障害とは子ども自身が持っているのではなく、社会からそういった評価を受けているものに過ぎないと捉えているので、真の意味で、障害がない社会を作っていきたいと考えています。
障害福祉の仕事をやっていると、「良いことをやっているね」と、どこか他人事のように捉えておられるような方にお会いすることがありますが、少し残念だと感じます。
誰もが、障害の問題を自分にも関係のあることだと捉えられるようになれば、誰もが生きやすい、より良い社会が作られるはずです。
5年後のビジョンとしては、障がい者雇用をする企業様のために、必要な環境を整えるためのコンサルティング事業にも取り組みたいと思っています。
【取材 田重田 勝一郎/堺市中区倫理法人会/実行委員】
【撮影 Syoji photo 代表 山本 祥司/広報副委員長】
障害を持つ子どもの可能性を信じ、社会に出たときに継続して働く準備をするためのデイサービスを作るという上野さんのコンセプトはとても共感できましたし、障害とは子ども自身が持っているものではなく社会から受けているものという捉え方は、自分の中では新しく、この考え方が広がればもっと生きやすい世の中になりそうだと感じました。写真撮影の際の上野さんと職員さんとのやり取りもとても和気藹々としていて、元気な働きやすそうな職場だと思いました。
【上野真博氏の所属単会/堺市中区倫理法人会】
2024年11月掲載
※記事中の所属や役職およびインタビュー内容は、取材当時のものです。