GENKIな会員企業のご紹介

株式会社文殊 代表取締役社長 木村裕太氏にインタビューしました。

▼企業情報
社名:株式会社文殊
設立:1947年
役職:代表取締役社長
住所:大阪府東大阪市柏田西3丁目6番1号
URL:http://kimura-knit.co.jp/

▼事業内容
インナー製品及びニット(丸編)生地の企画、販売

会社の誕生

祖父は戦争で中国へ派遣され、帰国してからも戦前勤めていたところに復帰できず、無給の自宅待機を命じられる状況でした。長男であったこともあり、一念発起して自分で商売を始めることを決意しました。元々家は織物をやっていたのですが、これからはニットの時代だ、との話を聞いて弟と共にニットの編立業を始めました。
幼少期は祖父と同居しており、実家、庭、工場という環境で育ちましたが、商売において駆け引きが苦手な祖父は、創業20年の間に黒字を2回しか出すことができませんでした。しかし、その後、スパンテックス(ポリウレタン)に出会い、いち早く取り入れることで、事業は転機を迎えました。この技術革新が、ブレイクのきっかけとなったのです。
数年後、1970年代に父と父の弟が会社に参加。父は工場よりも営業畑に身を置き、新しいアイデアを積極的に提案し、中国にも進出するなどして事業を拡大しました。
その意思を引き継ぎ私も3代目として今活動をさせていただいております。

入会のきっかけ

同じ業界で染色工場をされている福井専任幹事と東大阪の繊維の会社の集まりでご一緒した時に一度倫理法人会に来てみないかというお誘いがきっかけです。

転機となるような学びは?入会してよかった?

自分の心と向き合い、赤裸々に話すことはなかなか難しいものです。日本人は弱い部分を人前で見せるのを恥ずかしいと感じることが多いですが、こうした話を聞くことができるのは非常に貴重だと思います。
「あり方」と「やり方」には違いがあり、さまざまな経験を通じてやり方は学び、頭に残ります。しかし、「あり方」は学んでも、時が経つにつれて薄れていくように感じていました。そんな中で、定期的に振り返り、心を見つめ直す機会が欲しいと感じていたタイミングで、週に一度、MSで誰かの話を聞くことが非常に有益だと感じています。
まだまだ心の中には汚れが多くありますので、週一回浄化する時間を持つことがとてもありがたいです。
世の中にはこんなにも多くの人々が苦しんでいることを知り、驚きました。そして、倫理法人会の皆さんは、どんな困難も前向きに捉え、前に進んでいく姿勢が素晴らしいと感じています。

会社では、最近、人の良いところを見つけることができるようになりました。特に従業員に対しては、彼らが自分と同じように動いているわけではないと感じつつも、「なぜこのような行動を取ったのだろう?」と考えるようになりました。そうした思考を通じて、より深く人の気持ちや意図を理解しようとするようになったと実感しています。また、会社の雰囲気も少し明るくなったように感じています。自分自身の意識が変わることで、周囲にも良い影響を与えているのかもしれません。

倫理法人会で学ぼうとしている経営者のみなさんへのアドバイス

経営者としての孤独感や心の葛藤は、同じ立場でなければ理解しづらいものです。その感覚を共有できる場所や時間があれば、心の負担を軽くすることができるのではないかと感じます。経営者はどうしても結果や手法に目が向きがちですが、心の在り方や本質的な部分に焦点を当てる場は貴重だと思います。そういった場が提供されることで、経営者同士が素直に自分をさらけ出し、共感し合いながら心の洗濯ができる。そんな機会を求めている方におすすめです。

今後のビジョン

東大阪市から「東大阪ファクトリーズ」というプロジェクトにオファーをいただきました。東大阪市は、ものづくりの街として知られていますが、リーマンショックや後継者不足などの影響で、ピーク時の3分の1の町工場が消失し、危機感が強く感じられています。これまでの下請け的な体質から脱却し、技術力を活かした新たな取り組みが求められています。そこで重要なのが、自社ブランドを確立することです。このプロジェクトは、地域の技術を活かし、ブランド化を進めるために応援するものです。

その後、私達もデザイナーの方と今までにない巾着袋を開発し、グッドデザイン賞を受賞することができました。まずはこの商品の拡販に努めるとともに、新たな商品の開発も進めていきたいです。また、企業にとって「夢」があることが大切だと感じており、それが従業員のモチベーション向上にも繋がると思います。夢を持ち、ワクワクできる会社こそが、持続的な成長を実現できると信じています。

さらに、来年2025年の大阪・関西万博では、「東大阪ファクトリーズ」として数日間の出店も予定しています。今治タオルや豊岡カバンのように、東大阪も一つのブランドとして認知され、街全体が活気づくように、共に力を合わせて頑張りたいと思っています。
 

【取材 寺井心/大阪鴻池倫理法人会/副専任幹事】
【撮影 Syoji photo 代表 山本祥司/広報副委員長】

私自身東大阪市に住んでいますが、凄く良い街なのに、何か街全体に大阪市のような活気がないように感じます。東大阪市のモノづくりは、全国にも知られていますが、衰退傾向は本当に止めないといけません。元々木村さんは、中国にも進出し会社の規模も大きいのは存じておりましたが、新しいプロジェクト、それを後押しする行政も頑張っている事に市民としても何か協力が出来たらと素直に感じました。

【木村裕太氏の所属単会/大阪鴻池倫理法人会】
2025年2月掲載

※記事中の所属や役職およびインタビュー内容は、取材当時のものです。