株式会社ステップ 代表取締役 堤芳亮氏にインタビューしました。

▼企業情報
社名:株式会社ステップ
設立:1998年
役職:代表取締役
住所:大阪府吹田市上山手町15-30
URL:https://www.cl-step.co.jp
▼事業内容
一般クリーニング・自社宅配サービス(エリア限定)・ECサイト(保管クリーニング)
しみぬき・シーズン保管サービス
▼当社の強み
1)充実の内製環境
当社は店内設備によりシミ抜きを含めた全て
2)地域集荷も対応
周辺地域のお客様宅にお伺いして商品をお預
3)冬物夏物、代わりに収納
季節物の商品をクリーニングし、オ
会社の誕生
私の家はもともと町のクリーニング店を営んでいて、子どもの頃から、母と職人さんが仕上げ作業をする姿を見て育ちました。高校生の時には親の仕事ぶりを見て「安定したサラリーマンの方が良いな」とも思ったのですが、よく考えてみるとその先に求めるものもなく、それなら自分で何かをやった方が良いなと。それで親の店で働くことにして、仕事自体は面白く感じるようになりました。でも、「こうしたい」「ああしたい」という思いが出てきて、それが原因で親と衝突するようになってしまって。親と決定的に意見が食い違って、最終的に店を辞めることになり、その後は半年ほど造園業でアルバイトをしました。
「もうこの業界には戻らないかも」と思っていましたが、つながりのあったクリーニング会社の社長から声をかけていただいたことをきっかけに、その会社で6年間働きました。そこでちょうど家主さんから「空いている場所があるから使わないか」と声をかけてもらって、現在の店舗をスタートすることができました。完全なゼロからの創業ではなく、3兄弟で力を合わせての「第二の創業」といった感じですが、お店は自分で一から作り上げたので大きな挑戦でした。親との衝突もありましたが、親から受け継いだものが今の自分を支えているのも事実です。そして地域の方々の支えがあってこそ、ここまで来られたと感じています。
入会のきっかけ
きっかけは同業者の朝日さん(吹田市倫理法人会 副専任幹事)からの紹介でした。もともと別の経営者団体でつながりがあり、クリーニング業界の集まりでもよく顔を合わせていました。初めて朝日さんと会ったのは、うちの工場を見学に来られた時です。その時、ちょうど朝礼をしていたので、それも見てもらうことになったんです。
その頃、私は「職場の教養」という冊子を使って朝礼をやっていて、それを朝日さんが「これ何?」と興味を持ったそうです。後で聞いた話ですが、朝日さんが倫理に入会された時、「ああ、これ堤さんのところにあったやつや」と気づかれたとか。それからしばらくして、朝日さんが「一度話を聞いてほしい」と中田さん(吹田市倫理法人会 副会長)と一緒に来られて、「堤さんも入らんか?」と誘ってくれました。最初は少し迷いましたが、結局「靴舐めるから入ってくれ」とまで言われて(笑)、その熱意に負けて入会を決めました。

転機となるような学びは?入会してよかった?

学びの中で特に印象深かったのは、「万人幸福の栞」を読んだ時の感動です。そこに書かれている内容に「なるほど」と思うことが多く、モーニングセミナーにも自然と足を運ぶようになりました。
それから、「親への感謝」というテーマ。最初は正直言ってピンと来なかったんです。むしろ親に対して腹が立つことが多かったので。でも、モーニングセミナーや他の方の話を聞くうちに、少しずつ「親への感謝の気持ちを持つことの大切さ」に気づくようになりました。変化は一気に訪れたわけではなく、少しずつでした。それでも、倫理での学びが自分の考え方や行動を変えるきっかけになったのは間違いありません。
倫理で話される内容は、実際に行動してみて初めてわかることが多いです。たとえば、「靴をきれいに並べる」という話が印象に残っていますね。子どもたちにも「靴を揃えなさい」と言い続けた時期があったんですが、それがただの「形だけ」になってしまうと、逆に関係がぎくしゃくしてしまうことに気づきました。倫理で学ぶのは、形だけの行動ではなく、その根底にある「目的」や「思い」なんですよね。
加えて、倫理に入って良かったなと思うことは「人とのつながり」が増えたこと。僕より年上の方が多く、経験豊富な方々から話を聞いたり、可愛がってもらえたりしました。クリーニング業界の同業者とも新たに交流が生まれ、結果的に業界のつながりも広がりました。
いろんな人がそれぞれの経験や学びを話してくれるので、「これ、自分もやってみようかな」と思うことがたくさんあります。たとえば、宮田会長がある方から「子どもと手をつないで寝てみなさい」とアドバイスを受けた話を聞いたとき、「それなら自分にもできるかも」と思ったんです。ちょうど三番目の子どもが病気で入院していた時期だったので、夜に病院に行って仮設のベッドで手をつないで寝るようにしてみました。それだけで、子どもとの距離が縮まる感じがしましたね。こんな風に、人から聞いた体験や実践方法が自分の生活にも取り入れられるのは、本当に貴重な経験だと思います。
倫理に入ったからといって、すぐに人生が大きく変わるわけではありません。でも、日々の中で少しずつ考え方や行動が変わっていくのを感じます。そういう「じわじわ」とした変化こそが、倫理の良さだと思います。
倫理法人会で学ぼうとしている経営者のみなさんへのアドバイス
倫理で学び始める方には、「自分が感じたことを素直にやってみてほしい」と伝えたいです。無理に嫌なことをやる必要はありませんし、「無理だ」と思ったらやらなくてもいい。ただ、何かを感じたら、それを実際にやってみる方がいいと思います。やってみて「これは違うな」と思ったら、やめればいいだけの話ですから。
僕が失敗したなと思ったのは、学んだことを押し付けてしまったことです。それだけは気をつけてほしいですね。押し付けると関係が険悪になってしまうことも、また相手にとって逆効果になることもあります。倫理の学びは、あくまで自分自身が実践して初めて意味を持つものだと思っています。
「仲間を作るのが苦手」という方もいるかもしれません。でも、僕は「そのままでいい」と思います。無理に声をかけたり、積極的に話そうとする必要はありません。自然に誰かが声をかけてくれたり、頼まれることがあったりして、次第に関係が広がっていきます。 時間がかかる人もいれば、すぐに馴染む人もいます。それぞれのペースでいいんです。重要なのは、「自分らしくいること」だと思います。

今後のビジョン
僕の会社の目標は「誰もが安心できる環境づくり」ですね。規模を大きくすることではなく、クリーニング業の中で僕たちにしかできないことを追求していきたいと思っています。
たとえば、従業員とのコミュニケーションを大切にしながら、技術を次世代に引き継いでいくこと。これは僕らの課題でもあります。工程を効率化するために機械に頼る部分も増えていますが、それで失われる技術もあります。それを補いつつ、日々改善を続けていきたいです。それから、お客様との距離が近いことも僕たちの強みのひとつだと思っています。この部分をプロとして、お客様ひとりひとりを大切にする姿勢を貫いていきたいです。
倫理の学びと共に、実践の中で気づいたことを仲間と共有して、互いに成長していける環境を作っていきたいなと。自然な形で広がっていくつながりを作れる、そういう会社にしていきたいというのが今の僕の想いです。
【取材 山下勇雄/吹田市倫理法人会/実行委員】
【撮影 幸合同会社 代表社員 澤利一/広報副委員長】
お話を伺い、堤さんの実直で情熱的なお人柄が強く伝わってきました。ご自身の経験や葛藤を率直に語り、人とのつながりや学びを大切にされる姿勢が非常に印象的でした。また、他者に正解を押し付けることなく、ご自身で実践しながら進む謙虚さと柔軟性、そして成長を追求される姿勢に、経営者としての魅力を感じました。人としても経営者としても、さらには倫理の先輩としても学ぶべき点が多く、心から尊敬いたします。一方で、夜のお付き合いが多いご様子ですので、どうか健康には十分ご留意下さい(笑)
【堤芳亮氏の所属単会/吹田市倫理法人会】
2025年3月掲載
※記事中の所属や役職およびインタビュー内容は、取材当時のものです。