
株式会社SPARK 代表取締役 分部将之氏にインタビューしました。

▼企業情報
社名:株式会社SPARK
設立:2024年6月19日
住所:大阪市北区鶴野町4-11 朝日プラザ梅田1501
URL:https://spark-g.co.jp/
役職:代表取締役
▼事業内容
不動産財務に特化したコンサルティング会社
会社の誕生
大学時代の2学年上の先輩とともに共同で創業しました。
大学卒業後はそれぞれ別の会社で働いていましたが、その後、私(分部)が独立系デベロッパーに転職した際に先輩を呼び寄せ、約4年間一緒に働くことになりました。その後退職し、昨年12月からは現在の会社「SPARK」を経営しています。
先輩を呼び寄せたのは、不動産のDXや戦略策定の分野で力を発揮していたからです。一緒に仕事をすれば、より大きな成果を生み出せると考えました。
独立の理由は、会社のミッションにも掲げている「不動産=大手デベロッパー」のその先へ、という思いにあります。未上場の不動産会社でも努力しているところは多いものの、リスク管理や意思決定を盲目的に行う傾向が強く、そこに課題を感じていました。私は経理財務や資金調達を担当してきた経験から、他の不動産会社が十分に数値を見ながら判断できていない現状を何とかしたいと考え、このミッションを掲げました。
例えば、自己資金が1億円しかないのに、その全額を投入して物件を購入すれば、すぐに資金が尽きて倒産してしまいます。にもかかわらず、そうしたリスクを把握せずに意思決定しているケースが非常に多いのです。そこで私は「不動産業界における戦略的で適切な意思決定」をビジョンに据えました。管理会計の仕組みを整え、システムの導入やコンサルティングを通じて、若い会社でも健全な経営判断を進められるよう支援していきたいと考えています。
自社のビジネスモデルとしては、財務コンサルティング、CRM(顧客管理)、売買仲介、そして業界に特化したシステム開発を手がけています。不動産業界における「資金の見える化」を実現するシステムは非常に珍しく、現在は案件ごとのPL(損益計算)やキャッシュフローのシミュレーションが可能な仕組みを開発中です。将来的にはこのシステムを販売する計画もあります。
現在は、不動産コンサルを行いながらシステムを開発し、売買仲介も並行して進めています。具体的には「この物件を購入した場合のPLやキャッシュフローがどうなるか」や「全社の資金繰りや収益構造がどう変化するか」といった分析を提供しています。これにより、顧客は正確な数値を把握しながら「買うべきか否か」の判断を適切に行えるようになります。
入会のきっかけ
入会したのは、まだサラリーマン時代のことです。斎藤さんとお茶をしていたときに、「倫理っていうのがあるから一度来てみたらどう?」と誘われました。そして実際に土曜日のモーニングセミナーに参加し、その日のうちに入会を決めました。とりあえず飛び込んでみて、そこから考えていこうという気持ちでした。斎藤さんからも概要をざっくりと聞いていて、「確かに良いな」と思えたのも後押しになりました。
転機となるような学びは?入会してよかった?
倫理法人会に入会して、大きな学びがありました。西区のモーニングセミナーに高槻の松田相談役という方が来られていて、その方が「縁」を大切にしているというお話をされました。特に柳生家の家訓をもとにした講話に深く納得し、自分にとっての「縁」とは何かを考えるきっかけになったのです。
それ以来、私は日々「縁」を意識して生活し、自分なりに調べたり実践したりしてきました。その意識が人とのつながりやビジネスの関係性にも大きな変化をもたらしました。実は毎日日記をつけているのですが、そこでも「縁」に気づく機会があり、そうした習慣を通じて「縁」を大切にすることが新たなビジネスチャンスにも結びついてきました。
「縁」をさらに深掘りし、構造化したりビジネスに紐づけたりすることは、多くの人があまりしていないことです。しかし私は、実は「縁」こそが大きなビジネスの要素になっていると考えています。こうした発想に至れたのも、倫理法人会に入り、松田相談役の講話に出会ったからこそです。その学びだけでも、入会した一年間の価値を十分に得られたと思っています。
倫理法人会で学ぼうとしている経営者のみなさんへのアドバイス
大切なのは「参加しているだけ」で終わらないことです。積極的にさまざまな場に顔を出し、学んだことを行動に移してこそ意味があります。入会するだけでは何も始まりませんし、参加しているだけでも成果は得られません。学びを行動へと変えていく姿勢こそが、倫理法人会での成長につながると思います。
今後のビジョン
現時点でのビジョンはこれまでと変わりません。「不動産=大手デベロッパー」のその先へ、というミッションを掲げて事業を進めています。将来的には変わっていく部分もあるかもしれませんが、今はこの理念を軸に歩んでいるところです。
編集後記
幾重にも連なる経営の危機の中、尊敬し敬う創業社長と二代目社長であるご本人が比較する中で起こる精神的な苦悩と湧き出る愛と勇気に感動しています。
<取材> 新留賢一/大阪西区倫理法人会 実行委員
2025年11月 No.325 掲載