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株式会社桜製作所 代表取締役社長 山口将史氏にインタビューしました。
 

 

社名:株式会社桜製作所
設立:昭和48年(創業 昭和33年)
役職:代表取締役社長
住所:兵庫県尼崎市田能6-11-2
HP :https://www.sakura-pla.net/

事業内容

企業紹介 : 家電製品、産業機器等の中に組み込まれるスイッチ、レバー、ボタン、ケースなどのプラスチックパーツ製造(射出成形)を得意にしている、創業60年の町工場です。
※射出成形とは:加熱して軟化したプラスチックを金型に流し込み成形する加工法です。

会社の誕生

 

 

1958年、私の祖父 山口進 が脱サラして、自宅の庭にプレハブ小屋を建て、そこに射出成形の機械を運び込んで事業を始めました。当時、近所の人が花見に訪れるほど、立派な桜の木が小屋のそばに立っていたのが、社名の由来と聞いております。

ところが創業直後、サラリーマン時代のコネを期待していたのに当てが外れてしまい、借金を重ねてなんとか経営を維持してきたものの、最大で3億円もの負債を抱え、金策に走り回っていたそうです。

そんな中、1973年に尼崎市の区画整理で立ち退かざるを得なくなったため、現住所へ移転し、株式会社を設立しました。
直後に私の父、二代目社長の 山口良平 が入社し、現在でもお取引のあるPanasonic様をはじめとする、さまざまな得意先様を開拓しながら借金を返済しつつ、現在も射出成形によるプラスチックパーツの製造をメインに、事業を継続できております。

現在の業態は、射出成形、組立加工、金型製作を社内でおこない、一部工程をアウトソーシング。私、会長、正社員5名、パート・アルバイト5名、合計12名の会社です。

私自身は、父が借金返済・事業存続のために家庭を顧みない姿が小さい頃から目に焼き付いており、会社を継ぎたくなくて一度は別の会社に就職しました。しかしそこは自分の思っていた仕事ではなく、給与も安く、家で愚痴をこぼしていたら、父に桜製作所へ入社するよう言われ、それに応じるカタチで、2000年に入社しました。

しかし入社後は、自分の知識とスキルが追い付かず、やりがいや楽しさをなかなか見出せずにいました。それでも仕事の成果が出ていればよかったんですが、父とスタッフから認められるにはほど遠く、社内で四面楚歌の状態だったにもかかわらず、2010年10月、父の「地位が人をつくる」との意向で、社長に就任しました。

ただ、社長になっても(前社長・父の)会長とスタッフの板挟みで苦労が続き、自身と会社の展望がまったく見出せない、お先真っ暗だった中、2013年、長男が誕生してから2か月後におこったある出来事が、ひとつの転機になりました。

その日、夜中に会社から帰宅したところ、明かりがついたままの部屋で泣き叫ぶ、生後2ヶ月の息子と、世話疲れで起きることができない妻の姿を目の当たりにし、あわてて息子を寝かしつけた際、現状の情けなさと家族への申し訳なさに、涙が止まらなくなりました。

翌日も仕事があるから、とにかく眠らなきゃと思い、睡眠薬がわりに(秘)、この日 会社に届いていた小冊子「武蔵野流 経営改革7つの法則(株式会社武蔵野 著)」を手にした直後、表紙の「会社を変えたいと思って何ヶ月が経ちましたか?」という質問に、目が釘付けとなりました。

会社を変えたいと思って・・・何ヶ月どころか、何年も経っているぞ・・・息子が将来この会社を継ぐのか?いやそもそも、会社を残していられるのか??いつまでもこんな状態じゃアカンやろ!!と、強烈に気づかされた、自分にとっての「魔法の質問」だったと思います。

それからプラスチックのモノづくりに関する勉強だけじゃなく、会社の経営や人としてのあり方、それに「しつもん」を各方面で学ぶようになり、経営の学びに関するご縁で、倫理法人会とは繋がりました。

入会のきっかけ

 

 

経営の学びでご一緒していた大阪尼崎会員の道由和さんから、ご紹介を頂きました。
以前から「職場の教養」誌の存在は知っており、目を通してはいましたが、朝6時半からのモーニングセミナーに参加しようとまでは、その時から思っていたわけではありません。
しかし、道さんから熱心にお誘いいただいたこともあり、取りあえずどんな雰囲気か、一度見に行くことにしました。

参加してみると、「おはようございます!」と大きな挨拶に圧倒されましたが、事前に想像していたほどの拒否感は感じませんでした。ただやはり、毎週早起きできるかという点がひっかかり、入会を前向きに考えるまでは至りませんでした。

するとその翌日、大阪尼崎会員の林えみ子さんから勧誘の電話が当社にかかってきたので、次回MSの際に、ちゃんとお話をうかがい、入会の有無を伝える旨、約束しました。
ところが、林えみ子さんと約束したMS当日、林えみ子さんのテーブルに遺影が飾られていて、お亡くなりになられたことを知らされ、ビックリしました。

約束していた人が亡くなった衝撃と、「次があるかどうかわからない」という厳然たる事実を突き付けられ、自分がやりたいと思ったことは今やっておいた方がいい、入会を迷っているのであれば、とりあえず入ってからまたどうするか考えればいいと決意し、入会を申し込みました。

転機となるような学びは?入会してよかった?

 

 

入会直前に聴いた、枚岡合金工具株式会社 古芝保治社長の「徹底した3S(整理・整頓・清掃)活動で企業文化を創造した」講話をうかがい、これは自社にも取り入れたい!取り入れる!!と決意。早速 古芝社長の著書を購入し、当社でも環境整備に取り組み始めました。

また、入会直後に聴いた宇都進副方面長の「『書く、言う、誓う』の実践でご自身が結婚した」講話にも強烈なインパクトを受け、私自身が初めて講話をすることになった際には、「書く、言う、誓う」を実践したおかげで、多くの方が応援してくださり、成功をおさめることができました。

倫理法人会は自分の学びを深める場だけではなく、「圧倒的に正しい」ことを実践するキッカケになる場だと感じています。

現在はその一環として、職場の教養を使った朝礼を行なっています。毎週木曜は、当日のMSの内容についてシェアし、こんな学びがありました、と朝礼で話しています。

倫理法人会で学ぼうとしている 経営者のみなさんへのアドバイス

 

 

倫理法人会に入会してから、小さなことに感謝出来るようになりました。トラブルがあっても、周囲や状況のせいにする回数が、入会前が10あったとしたら今は1~2ぐらいに減ったと感じています。

私は、自分の身近な人たちと、ご縁のある方々を幸せにできる、学びの柱の一つだと考えており、特に、経営者としての貴重な時間を倫理の活動に費やすという「代償の先払いをした」結果、今の仕事だけでは得られない新たなご縁ができたことは、大変よかったと実感しております。

今後のビジョン

 

 

家族・スタッフ・お客様・地域社会から、必要とされ、また応援される「いい会社」になることが当社のビジョンです。

具体的には、「日本で一番たいせつにしたい会社大賞」へ応募できる資格がある会社にすることです。「人を大切にする経営学会」が定めた、応募に必要な指標の(100点満点中)70点以上取得を、あと9年で達成したいと思っています。
(※ 今のところ、自己採点では30点台です・・)

【取材 幹事 前田直義、実行委員 澤利一/ 大阪尼崎倫理法人会広報委員】
【カメラマン スタジオハート 上田哲也/枚方・交野倫理法人会】

山口社長は年間百冊のビジネス書を読まれている努力家で、毎回のMSの資料を全てファイルに綴じ、万人幸福の栞、朗読のCDを車の中でも聴くことを習慣とされています。
会社には、社員さん全員の笑顔の写真を壁に掲示されていて、それがとっても素敵な雰囲気を醸し出しています。実行委員としての活躍にも期待大です。(前田)

山口社長が以前はご自身の会社で嫌々ながら働かれていたとのこと。大変驚きでした。
ご子息がもし今の会社を継いだら?とご自身ではなくご子息の視点に立たれたことで、
今の山口社長があるのだと感じました。
そんな山口社長だからこそ倫理法人会に入会され、朝礼の導入など倫理実践をされながら日々成長し続けておられるのだと思います。(澤)

【山口将史 氏の所属単会 → 大阪尼崎倫理法人会】

※記事中の所属や役職およびインタビュー内容は、取材当時のものです。